2022-08-16
新聞提供:
台湾 国防念頭に無人機産業強化へ 産官学の研究開発施設新設

ロシアとウクライナの戦闘で無人機の役割が注目される中、台湾当局は産官学の協力による無人機技術の研究開発センターを新たに設け、蔡英文総統も出席して13日、開所式を行いました。

台湾南部の嘉義県にできたこのセンターは、民間の無人機メーカーのほか、防衛装備の開発を行っている国防部系の機関や大学などが拠点を設置し、AI=人工知能などと組み合わせた先端的な無人機技術の研究開発を行います。

13日の開所式には、蔡英文総統が国防部長などを伴って出席しました。

蔡総統は「ロシアによるウクライナ侵略戦争は無人機の重要性を全世界に見せつけた」としたうえで「国際情勢が瞬く間に大きく変化する中で、台湾も『国防自主』と『非対称戦』の能力を積極的に向上させる。無人機産業は重点になる」と述べました。

これは、ロシア軍の侵攻に対して、ウクライナが無人機を効果的に使って対抗していると伝えられたことから、中国の軍事的な強い圧力を受ける台湾も高性能の無人機を自前で量産する体制づくりを急ぐべきだという考えを示したものです。

また、中国が大きなシェアをもつ民生用の無人機の市場でも、サプライチェーンの安全と信頼性から台湾に対する需要が伸びる余地があると台湾の当局やメーカーは見ていて、産官学の協力で無人機産業を強化したい考えです。